特に大事な項目を大まかに理解していただくための解説です。 クリックで各項目にジャンプします。
◎熱処理とは
◎焼入れ・焼戻し
◎無酸化熱処理
◎焼入れ性と質量効果
◎機械的性質
◎熱処理変形
◎硬さ
◎ISO9001認証・JISマーク表示許可
◎お役立ちのページへのリンク
少し広範囲な熱処理についての解説は、個人様向けのカスタムナイフなどを対象にしたこちらのホームページ( ソルトバス熱処理解説)をご参照ください。
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ここでは、鉄鋼やその他の金属に希望する所定の性質や状態を付与するための「加熱冷却操作」をいいます。
大まかに熱処理の種類をあげると、柔らかくしたり応力除去のための「焼なまし」、硬くて粘り強い鋼にするための「焼入れ・焼戻し」などの加熱冷却処理や、炭酸ガスなどの冷媒を使って冷却するサブゼロ処理、高周波電流により品物の表面を焼入れ焼戻しする高周波熱処理、表面性状を変える浸炭・チッカ処理・・・などがあり、熱処理に関する用語だけでも1冊の本になるほど非常に多岐にわたっています。 しかし、一般的には、品物全体を加熱冷却する「焼入れ焼戻し」がもっとも広く行われており、その用途が多いことから、「熱処理する=焼入れ焼戻し処理をする」と考えていいと言えます。
熱処理を依頼する場合には (1)熱処理区分(焼入れ、焼なましなど、どのような熱処理をするのか) (2)要求項目(たとえば、必要な硬さ値や機械的性質、組織などが必要なのか)・・・を示せば、おおよその熱処理特性や熱処理方法が決まります。
また、図面や熱処理の要求事項を示す書類などがあれば、ほとんど確実にその内容を伝えることができます。
熱処理結果は、硬さで評価する場合がほとんどです。 熱処理後の硬さと組織、機械的性質などの関係については、他の実験結果や経験による多くのデータがあるので、ほとんどの場合の熱処理後の品質は「外観(割れや傷がないかの確認)と硬さ値」のみで評価判定されるのが一般的です。
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簡単には「硬くする操作」と考えるといいでしょう。 鋼種ごとに決められた焼入れ温度(800℃程度から1250℃程度)に加熱して、充分に硬化する速度で冷却(焼入れ)した後、ねばさを与えて強くするために再加熱(焼戻し:100℃程度から700℃程度)する一連の操作をいいます。 一般に流通している鋼では熱処理条件(焼入れ温度・焼戻し温度・冷却方法)によって特性が変化します。 通常は鋼種ごとにJISあるいはメーカーが標準的な熱処理条件やそれに対する硬さや機械的性質を公表していますので、それに基づいて熱処理されます。
しかし、それらの標準条件にも幅があり、設備や工程の都合で熱処理内容を変えても同じ結果を得ることができるので、熱処理する側(業者)は熱処理方法に幅を持たせられる利点もありますが、温度や条件が変わればその機械的性質が変わるのが当然ですので、たとえば同じ硬さであっても寿命などに差が出るという結果になることもあります。 つまり、ただ単に熱処理すれば同じ品質が得られるのではなく、いかに優れた品質特性を出すことができるかが熱処理業者の技術・ノウハウの一つとなっているといえます。 日本刀の熱処理などにみられるような奥深い技術につながっているといわれる所以でもあります。
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鋼を大気中で高温に加熱すると、酸化スケールが付着したり表面脱炭などの変質などが起きます。これを防ぐために、ソルトバス熱処理、窒素ガス雰囲気での加熱、大気を排気しながら光輝状態で品物を熱処理する真空熱処理などが行われます。鋼の加熱中の酸化を防ぐ熱処理法を総称して「無酸化熱処理」と呼び、現状では工具鋼などの高級鋼における熱処理方法の主流となっています。
もっともポピュラーな真空熱処理の多くは、各種の真空ポンプを使って脱気しながら電熱で加熱昇温しますが、宇宙のような高い真空度にすると高温になるほど鋼中から合金元素が抜ける現象が生じるために、「低真空(または中真空)」の脱気状態で加熱するか、加熱時の熱効率を高めるために、脱気しながら微量の窒素ガスを流して光輝状態を保つ方法が主流で、焼入れ冷却の際には大量の窒素ガスで冷却する装置が多く、高価な熱処理法の一つです。
「真空熱処理」は、仕上がりが光輝肌で美しいことを売り物にされていることが多いようですが、鋼種ごとに、成分の違いで仕上がりの表面肌の色が異なりますし、機械加工時の肌と同様の光輝肌になりません。 また、品物が大きくなると、窒素ガス冷却の場合は油焼入れに較べて冷却速度が遅いために、熱処理後の機械的性質が劣ってしまう場合も出てきます。
ガスの流量や風速をあげて冷却する設備もありますが、限界があり、歪(曲り)の問題が生じやすいために、早い冷却速度を得る必要がある場合は、ガスによる冷却ではなく、油やソルト(塩浴)を用いて冷却する方法によって工具などの性能を高める熱処理を必要とします。 つまり、品物や用途に応じた無酸化熱処理をすることが重要で、見栄えの良さで「真空熱処理」を最高の熱処理だと考えないように注意する必要があります。 無酸化熱処理の主たる目的は「鋼の表面性状を維持する」ことですので、長短所を知った上で最適な熱処理方法をとることが重要です。
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鋼材の「焼の入りやすさ」を「焼入れ性」といい、C・Mn・Crなどの焼入れ性を高める元素が多いほど、一般的には、焼入れ時の硬さが高くなり、表面硬さ、内部硬さの差が小さくなります。
鋼材の質量の大きさが熱処理効果(主として、焼の入り方)に影響することを「質量効果」といい、品物が大きくなると、焼きが入りにくくなる(つまり、硬くなりにくくなる)と考えていいでしょう。
普通、熱処理条件や硬さなどの基礎データーは、メーカーなどで鋼材ごとに作成されていますが、通常の品物はその時の試験片より大きいものが通例ですので、焼入れ性の低い鋼種では、この鋼材の成分的な要素のために、硬さが思うようにでなかったり、機械的な性質が低下したりします。 このために、実際の品物は試験片を用いたデータ通りにはならない場合がありますので、事前に材料メーカーや熱処理屋さんなどに相談するとよいでしょう。
一般的には「高価な材料は焼入れ性に優れている」といえますが、それは、主として鋼材成分によるものであり、熱処理で補完できる要素は少ないと考えて材料選定や後加工量の検討をする必要があります。(変形を嫌う品物には、高価であっても空気焼入れ鋼を選ぶ・・・・など)
繰り返しになりますが、焼入れ性の低い材料では、基礎データ通りにならないことを常に意識する必要があります。 無理な熱処理をすることで曲がり(ひずみ)が極端に大きくなったり、当然、「基礎データにあるような硬さがでない」「加工すると表面の硬さが変わってしまった」「内部の硬さが柔らかい」「測定位置で硬さが異なる」という不具合につながることもありますので、事前に相談するなどで不具合を出さない対策も必要で、場合によっては、仕様の変更をしなければならない場合もあるかもしれません。
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引張強さ、疲れ強さ、じん性、硬さなど機械的な変形や破壊に対して材料の持つ特性を「機械的性質」と言い、熱処理はそれを変化させる操作であるといえます。 熱処理の文献をみると、熱処理後の硬さと種々の機械的性質との相関関係が調べられていますので、熱処理を依頼されるときには、(1)熱処理の種類(たとえば、焼入れ、焼なましなど) (2)処理温度と冷却方法 (3)硬さ ・・・が取引におけるキーワードになっており、そのうち、受発注の際には、特殊な場合を除いて、ほとんど(1)と(3)だけで取り決めされる場合がほとんどです。
熱処理による機械的性質の評価が必要な場合でも「硬さ」で代用される場合が多く、品物の硬さを直接に測るか、測定できない場合は試験片(テストピース)を同時に熱処理してそれを測定する場合もあります。 いずれも「代用特性」としての評価値であるので、部品の使用後の破損やトラブルによる損失を避けるためにも、どの部分を、どのような方法で測定するのか、その結果をどのように判定するか・・・・などを熱処理前に取り決めした方が良い場合もあります。
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◎熱処理変形
最も問題となることの多い、焼入れ焼戻し時の変形について説明します。
熱処理変形は、加熱冷却中の膨張収縮による「熱変形」と、組織変化に伴って生ずる「変態に伴う体積変化」が混合して発生します。(もっとも、機械加工の残留応力や、焼き入れ前の組織などに影響される物もありますが、ここでは取り上げません)
熱変形に対しては、(1)温度むらを少なくする (2)加熱速度を遅くする (3)予熱などで急激な温度変化を加えない (4)冷却の方法を工夫したり、特殊な方法を用いる・・・などの熱処理方法で軽減することができますが、変態による変形(これを「変寸」と呼ぶこともあります)は熱処理硬さとの関係があって、簡単には軽減できないものです。
一般的には、焼入れによる「マルテンサイト変態」によって硬さが上昇するときには体積が膨張する場合が多く、それが焼戻し操作中に金属組織が変化して体積が変化していきますので、変寸をコントロールするのは困難です。(同じ品物を繰り返して熱処理する場合には、予め変寸量を見越して前加工することである程度の対策ができることもありますが、変寸量のばらつきが0.2%程度になる例もあるので、変寸は非常に難しい問題です)
そのために、変形しやすいものは加工代(かこうしろ)を多くつけて、熱処理後に加工して修正する事になりますが、その量を正確に決定することも大変難しい問題ですので、複雑な形状のもので変形を嫌うものは、ポピュラーな鋼種を用いたり、焼入れ性の良い材料を用いることも対策の一つと言えます。
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◎硬さ
硬さは機械的性質を表す代用値として広く用いられます。 一般的には、硬さ計で測定された数値で評価します。 通常の熱処理現場では、ロックウェル硬さ、ショアー硬さ、ブリネル硬さ、ビッカース硬さが用いられており、その相互関係が「換算表」に示されているために、それらで相互換算されて評価に用いられる場合が多いようです。 しかし、換算には適用条件が付いており、その特徴や問題点などを把握しないで使用されていることも多いために、取引上のトラブルになっているケースもあります。 顧客側、熱処理業者側双方が契約の際にしっかり取りきめることが重要です。
硬さの測定原理は、ショアー硬さが「硬いものほどよく弾む」ということを利用しており、その他の3硬さは「硬いものほど変形しにくい」という性質から、ダイヤモンドなどの硬いものを押し込むことで測定され、その硬さ値と表示方法はJIS規格によって定められています。 厳密な判定が必要な場合は、測定位置や測定方法などの事前取り決めをします。
当社での硬さ値は、国家標準の硬さに関連付けられている「硬さ基準片」で硬さ値が決定されていますが、測定する品物の状況(大きさ等の重さや形状、測定位置、測定面の状態)によって硬さ値が変化するので、重要な品物については試験方法や試験位置などを事前に取り決めしておくことが必要です。
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これらを取得している会社や工場は、熱処理やその検証(検査)の方法、手順などが標準化されて実施されており、その加工記録や検査記録も管理されていることや、「顧客満足度の向上」義務などを求められていることもあって、安心して熱処理依頼できると考えていいでしょう。 当社においても、鉄鋼の熱処理加工についてISO9001認証取得をしていますし、何よりも、いろいろな機械部品や製品を一貫加工していて経験も豊富ですので、熱処理だけでなく、加工を含めた相談にも無料で応じております。関連HPや電話からお問い合わせください。
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◎お役立ちのページへのリンク
日本機械鋸・刃物工業会 ・・・ 当社が所属する工業会です。
西部金属熱処理工業協同組合 ・・・ 当社が加入する団体です。熱処理用語解説もあります。
特許電子図書館 ・・・ 特許を検索するサイトです。
中小企業庁 ・・・ 中小企業への各種サポート。
大阪産業創造館 ・・・ 中小企業の味方? 大いに利用させていただいています。
大阪府工業会 ・・・ セミナーを利用しています。
ポリテクセンター関西 ・・・ 社員教育でお世話になっています。