【掲載図表】
1.鉄-炭素状態図
2.炭素量による硬さ
3.合金元素と焼入れ性


鉄−炭素系合金状態図


【解説】この図の詳細説明はしませんが、熱処理に関係する主なところを赤色で示しています。
熱処理する最適温度は、炭素(C)量に関係します。

焼入れ、焼きならし、焼きなましなどの熱処理では、A3(注:3は小さく書きます)以上の温度に加熱されるとオーステナイトと呼ばれる組織に変化します。

この図では、炭素含有量によって熱処理温度が変わるということが読み取れますが、「最高」という表現のある温度以上に加熱すると、結晶粒が粗大化して、機械的性質が劣化します。このため、JISなどでは、鋼種に応じて標準加熱温度を表示してあります。

最高鍛造温度が示されていますが、これ以上に加熱すると、使い物にならなくなるという程度に覚えておいてください。また、もちろん、自由鍛造でもっと重要な点は、加熱温度以上に、鍛造終止温度(書いていませんが)が結晶粒の大きさを決めることも知っておいてください。終止温度が高すぎると、結晶粒が大きいままになってしまいますし、下げ過ぎると、鍛造時の変形抵抗が大きくなって、鍛造中の割れにつながります。

図1. 鉄炭素系の状態図
大同特殊鋼(株)特殊鋼ハンドブック1985年版 P.901より引用


図2 鋼中の炭素量と硬さの関係

鋼中の炭素量と硬さの関係 

【解説】この図は、本文でも説明があります。
経験的に、ナイフの場合には58HRC以上の硬さを必要とします。そうすると、100%マルテンサイトにする場合は、0.5%以上のC量が必要で、合金元素の量によっては、炭化物が生成することで、素地(マトリックス)中のCが減っていきますので、最低必要硬さが確保できるかどうかを、これらの表で推定することができます。

充分な冷却速度で焼入されない場合は、マルテンサイトの生成量が低下し、かたさが低下します。 
合金元素を添加することで、硬さは若干上昇しますが、焼入れ性を増す元素の添加でマルテンサイト量が増えて硬さを増すことはいうまでもありません。


図3 合金元素量と焼入れ性

鋼中の合金量と焼入れ性倍数

【解説】合金の含有量によって、鋼材の機械的性質や熱処理特性が変化します。焼入れ性では、Mnのように添加量によって、それらが大きく異なるものは、慎重になる必要があります。市販鋼種はある程度の成分範囲を持っているために、同じ鋼種でも最終特性が変わることを知っておく必要があります。 
本文で説明しているように、硬さと熱処理性質や機械的性質について、いろいろ試験されていますので、その鋼材の長所を知って使うようにします。

 引用:【図2・図3)プレス型材料と熱処理(佐藤・相沢) 日刊工業編P4〜P13より引用


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