左の写真は、ソルトバスを用いて焼入れのための加熱をしている様子です。このホームページでは、工具(例えば、趣味でつくるカスタムナイフなど)をつくる場合の材料の選び方や鉄鋼熱処理のしかたを読み物風に書いています。熱処理の用語解説ではありません。
| あ | Ms点 | オーステナイト | 温度測定 | 異材 |
| か | 硬さ試験 | 硬さ換算 | 金属組織 | クライオ処理 |
| 合金元素 | 鋼種 | 鋼種選定 | 工具鋼 | |
| 恒温変態 | ・ | ・ | ・ | |
| さ | サブゼロ処理 | じん性 | 時効変形 | 質量効果 |
| 残留オーステナイト | 銃刀法 | 状態図 | 真空炉 | |
| ぜい性(焼戻し) | 遷移温度 | ソルトバス | ・ | |
| た | 耐摩耗性 | 脱炭 | 炭化物 | テンパーカラー |
| 低温脆性 | ・ | ・ | ・ | |
| な | 熱処理設備 | 熱電対 | 熱処理試験 | ・ |
| は | 半冷曲線 | 被削性・被研削性 | 表面処理 | 変態 |
| 保持時間 | ・ | ・ | ・ | |
| ま | マルテンサイト | 曲がり・変形 | マルクエンチ | ミルシート |
| や | 焼入れ | 焼入れ性 | 焼きなまし | 焼戻し |
| 焼割れ | 有効加熱帯 | ・ | ・ | |
| ら | 臨界冷却速度 | 冷却設備 | 連続冷却変態 | ・ |
(以下は、筆者の独り言です)
お問合せや質問で、何件か、「ある熱処理屋さんに聞いたら、そんな熱処理はできないと言われた・・・」という内容のものがあります。 S45Cのブロックで55HRC以上欲しい、SKH51で硬さを55HRCにして欲しいとか、曲がらないように熱処理して欲しい、全面均一な硬さが必要・・・・。
私自身、長期間、熱処理に携わっていますが、それらに的確にお答えして、理解してもらえるのは、非常に難しいことだと思っています。だから、熱処理は、わかりにくいと思います。
一方、あなたが、熱処理業者さんに何らかの熱処理を依頼した経験があれば、注文や打合せで、何かわかりにくい専門語が飛び出すし、硬さや仕様を決める際にも、色々聞かれて、結局、どうしたらいいのかがわからなくなった・・・という経験はありませんか?言葉自体、わかりにくいですね。
このように、注文する側と熱処理する側の問題を少なく出来るようにしたいと考えて、この記事を書きました。ですから、熱処理理論や原理を説明するものではありませんことを、あらかじめお断りしておきます。(びっくりしているのですが、私の記事を引用した、一見、技術文書のように転載したHPがたくさん出回っています。学術的内容は、専門書で調べてくださいね)
以下は余談ですが、最近、高速度鋼(ハイス)のアンダーハードニングという言葉を聞かなくなりました。ハイスは、今日では、セミハイスと称して、高じん性を謳った鋼種も多くなっていますが、過去には、切削工具に使われるものが多く、焼入れの仕方がその性能を決めていました。一般的には、比較的高温で焼入れして高温で焼戻しして、耐摩耗性耐熱性を付加するのですが、じん性を上げる目的で、JISの適正焼入れ温度範囲以下の低温で焼入れして、前者よりも低い焼戻し温度で硬さを決める熱処理方法(アンダーハードニング)があって、当社も、委託熱処理がほとんどですので、お客様の要望を聞いて、いろいろな熱処理をやってきたのですが、そういうことをおっしゃるお客さんも、それがいいと推奨する当社の技術者もいなくなったように思います。仕上がった硬さが同じでも、熱処理の方法で品質に差が出る例を沢山経験したのですが、その言葉も消えてしまいました。アンダーハードニングについては、このHPでは詳しく説明していませんが、もったいない気持ちがしています。
加えての余談ですが、最近主流の真空炉や雰囲気炉と呼ばれる加熱装置では、何100kgという量の品物を一度に処理する設備も多く、ボタンを押せば全工程を自動で熱処理をしてくれるので、業者からすると効率的で便利になってきていますね。 1回でできるだけ多くの品物を入れたい業者側から見ると、小口で、特殊な仕様の熱処理品は「招かれざる品物」ですね。賃加工という宿命でしょうか、これらに対しては、同じ焼入れ温度範囲の他の品物と抱き合わせて、パターンに当てはめた熱処理になるのが避けられないのかもしれませんが、やはり、「最適熱処理」ができないというのは、もったいない気がしています。
このようなことで、このHPでは、材料と熱処理の両面から、熱処理に潜む問題点や重要性を感じてもらえるように、教科書的にならないように解説するように心がけています。
小口品の熱処理については、小規模設備で自由度が高い「ソルトバス」による熱処理についても解説をしていますので、ぜひ、カスタムナイフなどを自分で作ったり、試作品、試験品など小口の熱処理をしようと考えている人に読んでいただきたいと思います。
(繰り返しますが、このHPの内容については、厳密には「正しくない」と批評される部分もあるかもしれませんが、厳密さよりも全体像を理解して頂けるように記述しています。文献を紹介していますので、そちらで確認いただくようにお願いします。 文責: 第一鋼業 野中豊)
「焼入れの基礎」のページから、どうぞ・・・